2008年04月30日

セカンドオピニオンについて思うこと(2)

 私が県会議員として関わる神奈川県立がんセンターでも、セカンドオピニオン外来を開設している。神奈川県立がんセンターのHPによれば、セカンドオピニオンとは「主治医以外の医師の意見を聞くことにより、患者さん自身が治療法を自己決定するのに役立てていただくものです」とある。東京大学医学部付属病院でも、「セカンドオピニオン外来では、当院以外の主治医におかかりの患者さんを対象に、現在の診断・治療に関して当院の専門家が意見を提供いたします。その意見や判断を、患者さんがご自身の治療法を選ぶ際の参考にしていただくことが目的です」とある。どちらも、あくまでも主体は患者であり、患者自身がどうするかを決める、いわゆる「自己決定」に基づく権利であるという趣旨で書かれている。しかし、一方で「セカンドオピニオン」は主治医の義務でもあるのではないだろうか。患者は専門家でない。「自己決定権」は勿論言われるまでもなく憲法上の人権であり、何も今更病院に言われるまでもないことである。セカンドオピニオンは本来、主治医の判断と責任で、主治医からの判断で積極的に進めるべきことでもある。 「セカンドオピニオン」が、あくまでも患者側の権利に留まっていることで、患者自身が主治医の先生への気遣い、プライドなどへの配慮により、「他の先生の判断を求めたい」と直接言い出せないでいたり、家族が他の先生の判断を求めたいと思っても、現在の「セカンドオピニオン」では、患者自身の相談が基本であるため、患者本人の同意書が必要であるために、結局家族にしてみれば疑問や不満を抱えながら現在の治療を受け続けることになっているケースが実に多い。現在の「セカンドオピニオン」の現状では、患者に真に資するという意味で患者の選択肢をしっかりと広げることに必ずしも繋がっていない、というのが私の印象である。
 本来、「セカンドオピニオン」が主治医の側の義務でもあるという考え方からすれば、その費用についても大きな問題がある。セカンドオピニオン外来は保険対象外であり、全額自費である。従って医療機関により金額もまちまちである。以下、いくつかの病院の費用を列挙するが、非常に高額である。
○国立がんセンター(東京都中央区)「60分15,750円」
○東京大学医学部付属病院(東京都文京区)「60分42,000円」
○慶応義塾大学病院(東京都新宿区)「60分42,000円」
○神奈川県立がんセンター(横浜市)「基本料金7400円」
あくまでも相談するだけでこの金額である。相談の結果、有用な情報があったか、患者に有益であったか否かは問わず、相談するだけでこの金額である。病院は余程の覚悟で、命がけで相談してくる患者と対峙しなければならないし、当然そうしているものと信じているが、それにしても、主治医あるいは治療を受けている病院は全く関係ないのだろうか。主治医自身が他の専門家の先生の判断を仰ぐべきであったという場面はどうなのか。全て患者の「自己決定権」という美名のもとに、患者自身が高額のセカンドオピニオン相談料を払わねばならないシステムはどうしても私には疑問が残る。
 がんという、受け止めることも容易でない病であることが判明し、選択肢がない中で、それでも多くの患者さんが日々闘っている。がんで亡くなる方々は、年間日本全国で30万人にも上る。この神奈川県だけで年間1万8千人、1日で換算すると平均50人、1時間で平均2人の方々が亡くなっている。この深刻な現実を前にすると、本当に真剣にがん対策に取り組んでいかねばならない。「セカンドオピニオン」については、今後前向きな意味でより患者さんが、ご家族が活用しやすい形をめざしていきたい。命がけで頑張っている方々のために少しでも力になれるように検討していかねばならない。
posted by 齋藤健夫 at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療・福祉の諸課題について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/95137595
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック