今日は午後から県庁内で「第5回神奈川県犯罪被害者等支援に関する有識者懇談会」が開かれた。懇談会のご報告の前に、このところ連続して発生した許しがたい事件について触れておきたい。茨城県土浦市のJR荒川沖駅では8人連続殺傷事件が、JR岡山駅ではホームへの突き落とし事件が起きるなど、何ら無関係な善良なる市民が事件に巻き込まれて犠牲となる現実に、全くやり場のない気持ちで一杯である。事件に突然巻き込まれたご本人、ご家族、ご友人、どこにその怒りの矛先を向けたらよいのか分からずに悲しみの中で困惑、当惑しておられるに違いない。昨年12月にも、長崎県佐世保市のスポーツクラブで散弾銃乱射事件が発生し、尊い命が失われた。被疑者自殺という最悪の結果に至り、事態の真相が解明されずにいる。犠牲となられた方々のご冥福と、負傷された方々の一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げたい。事件の発生そのものを食い止められる可能性があったのではないかと思うと残念でならない。関係機関全ての猛省が必要であるし、勿論どれほど関係機関、社会全体が猛省しても失われた命が戻らないという意味では絶望的な思いで一杯であるが、だからこそ徹底的に事件を分析して二度と同じような惨劇を繰り返さぬよう決意を新たにしなければならない。同時に今回、被害者、ご遺族、ご家族の方々への迅速なフォローがなされているかどうかという点についても大変気がかりである。正に神奈川県は、全国に先駆けて犯罪被害者等支援条例を制定し、官民一体となった総合的な犯罪被害者支援に取組む準備を進めてきたところであるが、こうした事件が頻発すると、事件そのものを防ぐ環境づくりと同時に、一刻も早く条例を制定し、本格的な支援を行う準備を進めなければならないことを痛感する。
有識者懇談会はこれまで4回に渡り開催されたが、毎回とても積極的な議論が繰り広げられてきた。本日は知事への提言に盛り込むべき中身についての議論がなされ、提言(案)として、以下の「三つの目的」と、「4つの基本方針」が示された。
1.県として掲げるべき「3つの目的」
(1)犯罪被害者の受けた被害の早期軽減・回復
(2)犯罪被害者等を温かく支える地域社会づくり
(3)総合的に安全で安心な県民生活の実現
2.県が支援を進める上での「4つの基本方針」
(1)犯罪被害者等の立場に立った支援
(2)全ての県民の理解、配慮、自発的支援の促進
(3)行政、県民、事業者、民間支援団体等の連携協働
(4)「犯罪のない安全・安心まちづくり」の取組との連携
これまでの有識者懇談会の傍聴レポートでも述べさせていただいているが、犯罪被害者支援のポイントは「被害に遭遇した直後の出来るだけ早い段階から、被害者支援に詳しい支援団体や、弁護士をはじめとする専門家がしっかりとサポートする体制を敷き、困っていることを全て把握して対応を図る」ことが重要である。これまではともすれば被害者、被害者の家族などへの支援が十分ではなかった。被害者なのに引越しをしたり、近隣からの言われなき中傷に遭ったり、という二次的な被害に遭うケースが跡を絶たなかった。言語道断である。5月には知事への提言がなされる予定である。その後は、議会に条例案が示されることになる。これまでの有識者懇談会での議論をベースに、しっかりと議会でも議論を重ね、早期に県民の皆様に条例をお示しできるように努めていきたい。
2008年03月27日
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