昨日の社会福祉審議会では、身体障害者福祉専門部会に続いて全体の総会が開かれた。この総会の議題は「かながわ高齢者保健福祉計画の改定について」であった。そもそも「かながわ高齢者保健福祉計画」とは、平成18年3月に策定されたもので、「高齢者が安心して、元気に、いきいきと暮らせる社会づくりの実現」を計画の基本目標とし、平成18年度から20年度までの3ヵ年で、来るべき超高齢化社会に向けた準備段階として、以下の3つの重点課題と、3つの数値目標が掲げられている。
(1)介護予防重視型システムへの転換・地域ケア体制の充実
(2)サービス提供基盤の整備
(3)戦後生まれの「団塊の世代への対応」
数値目標としては以下3項目が掲げられている。
(1)介護予防効果として、要支援・要介護認定者数を約12,000人抑制する。
(2)サービスに必要な専門人材として、介護支援専門員を9,000人、訪問介護員を約33,000人、養成する。
(3)特別養護老人ホームを約5,700床、介護老人保健施設を約3,100床、整備する。
神奈川県の人口は890万人、現在65歳以上の人口はおよそ170万人、人口比率で19%にもなる。8年前、平成12年度の数値を見ると、117万人、13.7%であるから、どれ程急速に高齢化が進展しているかが分かる。今後、この伸びは更に急速になり、平成26年度には200万人を超えて総人口の23%、平成32年頃にはなんと25%を超えて4人に1人が65歳以上の高齢者となる。介護の必要な高齢者が増えれば、介護保険財政への負担は増大する。だから、介護予防重視型システムへの転換が急務である、というのは理屈としてはとても良く分かる。しかし冷静に考えると、予防のための様々な取組みで、高齢者が本当に介護を必要とする状態を回避できるのだろうか。日常の運動等は確かに精神的にも肉体的にも良い。しかし、それを強制することは出来ないし、将来介護の必要になるような病気にならないことを担保することにはならない。抑制人数まで数値目標に掲げているが、目標達成のために要支援・要介護判定が厳しくなるようでは全く本末転倒である。専門家からは、人材確保の難しさについての指摘も相次いだ。介護専門職の継続的な確保は、どの施設でも共通の課題となっている。こうした中で、平成21年度からの3ヵ年計画を20年度中に策定しなければならない。新たな計画は、昨年12月に策定された「神奈川県地域ケア体制整備構想」を踏まえたものとしながら、数値目標の達成具合なども勘案し、来年度末の計画策定に向け検討を重ねていくことになった。
これまで経験したことのない超高齢化社会の到来を目の前にし、私たち世代がどう支える仕組みを作っていけるのか、正直に申し上げて不安だらけである。財政的な厳しさを言い訳にすることは許されない。しかし、国も地方も、これまでの借金体質からどうしても抜け出せずにいる。借金が膨れ上がるばかりの財政状況下で、今後どのように高齢者の幸福祉を実現していけば良いのか、この一年をかけて、新たな計画策定に向けて考え抜いていきたい。
2008年03月26日
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