2009年06月19日

新型インフルエンザ対策について

 今月12日、WHO(世界保健機関)は、新型インフルエンザの警戒水準を「パンデミック」すなわち「世界的大流行」を意味するフェーズ6に引き上げた。本県では、5月20日に最初の感染者が確認されて以来、感染者はすでに40人近くに達しており、この間、国や保健所政令市等と連携しながら対策が図られてきたが、これまでの対応を通じ、様々な課題が明らかになってきている。
 まず大きな課題であるのが、国と地方の役割分担についてである。新型インフルエンザの感染拡大は、正に全世界的、国家的な危機管理事象である。5月に開催された全国知事会でも松沢知事から厚生労働大臣に対し、予防投与に用いた抗インフルエンザ薬の費用負担について明確な指針を示すよう、直接要請がなされたところである。この件は、国が全て補填することで決着を見たが、発熱相談センターや発熱外来の設置等、円滑な医療を提供するための体制整備に要する費用負担については、いまだ国から明確な方針が示されていない。国は、地方との役割分担を明確に示す必要がある。
 次に、新型インフルエンザの特性に応じた対処方法についてである。国の「新型インフルエンザ対策行動計画」は、強毒性の鳥インフルエンザを想定したものであるが、今回発生した新型インフルエンザは弱毒性のもので、多くの患者が重症化することなく回復している。今後、国民生活、経済活動への影響を最小限に抑えるという観点から、新型インフルエンザの特性に応じた国と地方の行動計画の見直しが急務である。
 更に、国内での感染発生時の的確な情報の伝達と共有も大きな課題として残った。今回、国内で初めて感染が疑われる症例が発生した際に、国が地方自治体との間で十分な調整を行わぬまま情報を公表した結果、その後の対応に大きな混乱が生じることになった。本県は、県内で最初の感染者が発生した際に、速やかに「危機管理対策本部」を設け、事態の把握と対応を始めたところであるが、今後国と地方自治体との間に、迅速かつ的確な情報の伝達や共有が出来る仕組みを整えておく必要がある。
 県としては、こうした一連の課題を解決すべく、国に対し強く要請する必要があるし、発熱外来の増設や入院病床の確保に努めるなど、保健所政令市を始めとして各関係市町村、医療機関と、より緊密な連携を図ることができるような体制整備を急ぐ必要がある。本格的なインフルエンザ流行シーズンまで、残された時間は少ない。
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posted by 齋藤健夫 at 15:20 | TrackBack(0) | 医療・福祉の諸課題について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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